恋する資格と資格のない私

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「晶こそ、彼女ができて良かったじゃない。あの子、かわいいね」  私は、晶がつらい表情をしていたことには触れずに言った。 「うん。私にはもったいない」    晶は多くを語ろうとせず、またつらそうな表情をした。話題を変えようと私が次に出した言葉は、最悪だった。 「そうだ。来週の金曜ね。澪子と会うの。晶も、仕事が早く終わったら一緒に」  私が全てを言い終わる前に、晶は急に立ち上がった。 「じゃあ、私、次で乗り換えだから。乗り換えに時間ないの。乗り換えに近いところまで移動しておかないと。真ん中くらいかな」    晶は不自然な程、早口でまくしたてると、足早に揺れる車内を移動して、私の隣から去った。  晶は、まだ、澪子のことを思っている。態度だけでわかってしまった。 澪子と待ち合わせの金曜日、仕事終わりに待ち合わせした駅まで向かう。あの後、晶に待ち合わせの詳細を連絡したけれど、まだ既読すらついていない。
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