恋する資格と資格のない私

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「あのことが原因って訳じゃないの。でも、色々考えて、私、彼に気に入られるように無理してんだって思えてきて」    澪子が晴れ晴れとした顔で、言う。 「あのときの私、変だったもん。結婚するって優越感持っておかしくなってた。真由たちのこと、うらやましいって言うくらいなら、私も頑張ってみようって思ったの」    私はきっぱりとした澪子の口調にいらいらした。これが嫉妬なのだろうか。  また、駅の改札で別れて、ホームに向かった。ホームに着くと、反対側のホームに澪子が見えたので、手を振って笑い合った。すぐに私のいるホームに電車が滑りこんできて、乗った。反対側のホームの澪子がこちらを見ている。 澪子は嫉妬する自分を受け入れて、自分の進む道を切り開いてみせた。次は、私が切り開く番だろうか。    次に知り合った男の人なら、気持ち悪いと思わないかもしれない。どこかに、私に身体的な繋がりよりも、精神的な繋がりを求める男の人がいるかもしれない。
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