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いつもの丁字路でわたしたちは別れる。あやねちゃんが、みーちゃん明日一緒に図書室行こうね、図鑑で鳩のとこ見ればわかるもんね、と言って、それからすぐわたしに手を振って去っていった。わたしはあやねちゃんに倣ってみんなに手を振りながら、ひとりで残りの通学路を処理していく。
ああ、あれが勝手に死にさえしなければ、わたしはあの汚い鳩のことをずっと白鳥だと思って、崇高な生き物だと思っていけたのになあ。
振り返った先にはまだ鉄の塊がある。中頃にまた新しい白い鳥が止まっていないだろうか。
わたしは必死に目を凝らしてみたけれど、それがあんまりにも遠くにあるから、そのうちに見えない鳥のことなんてどうでもよくなった。
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