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「なあ、それって男でいう賢者モードみたいなやつ?」
行為を終えた君は決まってギターを取り出す。
今日もいつものように下着姿のまま、慣れた手つきで弦を指弾きしていた。
「はあ?なにそれ?」
彼女の声色からは、俺との会話は心ここに在らずで、これから弾こうとしている曲の方に熱心なご様子なのが伝わってきた。
「男は出すもん出した後、無性に小難しいことに没頭したくなるの」
「例えば?」
「絵描いたり、詩を呟いたり、哲学語ったり、読書とか……あと日経新聞読み出すのもそうだな」
「ふーん。じゃあ私のお父さん毎朝シコってんじゃん」
俺の言葉をのらりくらりとあしらうように返したかと思えば、ギターの音色に寄り添うように君は歌い出した。
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