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あれから数十秒後、恐らくは水属性のモンスターだと決めつけた後、浅瀬から二十メートルくらい離れた砂浜に僕は座っている。
「おーい、ここまで来てみろよー!来れないのかー?いや、聞こえないかー?」
通常の数倍は大きく、それも速く鼓動している心臓をなんとか誤魔化しながら、浅瀬から大きく離れた位置でモンスターに対し、強気に質問をしている。しかし、当然に向こうからの返答もない。それは僕からの声も届いていないからなのか、それともモンスターの声量が小さくて聴こえてこないからなのかは不明だ。どちらにしろ、意思疎通ができない状況に不便さを感じている。
どうやらあのモンスターは浅瀬からは離れられない、水属性タイプ。そうともなれば、もう少し強気に出てもいいかもしれない。
「あー?なんかいったかぁー?」
「なんも言ってないわ!ていうか!遠すぎ!声聞こえなーい!」
僕に腹を立てていそうなモンスターに遠目で問いかけると、威勢のいい声が返ってきた。
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