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少女
またまた、あれから、なかなか距離が縮まらない理由をモンスターのせいにして、僕は砂浜に体育座りを決めて待っている。対して、モンスターの方も何をすることなく、いや、何をできそうにもなく、仕返しと言わんばかりに浅瀬の波に触れながら体育座りをしてこちらを寂しそうに見返してきていた。
「何見てんだよー!早く帰れよー!」
大声でそう訴えかける。
「ここが私の居場所なのー!」
透き通った可愛らしい大声が返ってくる。
そろそろ、今更にも。冷静に今の状況を分析してみれば、浅瀬にいる人間ではない人型の少女に声をかけられ、ときめいた僕がいて、興味もなければさっさと帰ればいいと思ったのに、だけどそれはそれであのモンスターに対して、空気が読めていない気もする。
だから僕はここにいる。
「おーい、目的はなんだー?地球侵略かー?人類滅亡させに来たのかー?」
「ちーがーいーまーすぅー!」
案外。馴れ馴れしいモンスターに思考を巡らせるけど、目的がわからない以上は近づきたくはない。
「あっ!河童か!?」
「モンスター前提で話を進めるなぁー!って、河童は川にしかいないでしょ!それに河童はモンスターじゃねー!妖怪だしっ!」
あはは。
立ち上がって僕の方に指差しながら大声な少女。
丁寧かつ面白いそんな突っ込みに、目の前の少女をモンスターと思うことをやめようと思えた。
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