踏み付けた花、私の後悔

プリムラ

「ってことがあったんだけど。
　私はいつ、あんたに彼女ができたら怒るって設定になってたの？」

まるで作戦通り、と言ったようにニヤニヤと頷きながら、
前を歩いていた湊が私に近づいてくる。

「だから言ったろ、あんまり女の子が寄ってくるのも大変なんだって。　」

私は再び、さっきよりもさらに鋭く、冷たい非難の目を向ける。

昔から見た目がいいと持て囃されてはいたものの、
私からすれば図体だけ成長した永遠の悪ガキだ。

…いや、訂正する。隣の悪魔だ。