約束

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  ユキナは蒼く透き通った翼をひろげ空にいた   (リョク…良かった。)   ユキナは微笑んだ 僕は頭が混乱している どうしてユキナが空に浮かんでいるのかわからない 僕はただだだ、上を見上げた   (リョク…今まで黙っていてごめんね。アタシは、雪女なの。雪を降らせる為にここにきたの。 その時、リョクが独りでここに居るのを見て一緒にいてあげたいって思ったの)     僕はユキナを見つめた ユキナも僕を見つめた     (アタシ、リョクのこと好きだよ)   静かに降りてきて、僕を抱いた   (緑色の瞳もこの凜とした…)   僕の耳を触った。   猫特有の三角の耳を   (凜とした耳も。 立派な黒い毛並も)   僕はユキナに体を預ける ユキナと僕は、初めて一つになった 暖かくそして切なさをこめて…   (リョク。大好きだよ)   ユキナは僕をきつく抱く 僕は強く頷いた   (もぅ行かなきゃ… また、会えるよね?)   僕は笑って頷いた ユキナも笑って頷いた     僕を地上に降ろし、ユキナは空に上がる   (バイバイ…また会おうね。絶対に!)   ユキナは笑って、姿を消した―――       暫くすると、 空から雪が降ってきた…   ユキナ… 僕は雪が降るたび、君を思い出すよ   僕は独りじゃない   君が、空から見ていてくれるから―――
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