3.そうま

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それから、また少しして・・ある日の早朝のことだ。 「ひなたさんが危篤です・・」 予め伝えてあった俺の携帯に病院から連絡が入る。 これまでにも何度か危ない時はあったが、ひなたは乗り越えてきた。 しかし、乗り越えるために確実に体は弱り、話すこともできないまでになる。 翔ではないが・・・正直、俺も見ているのはつらくなっていた。 そんなひなたの何度目かの危篤。 俺は今日はダメかもしれない・・そんな予知のような・・虫の知らせのような・・あやふやではあるが、信じてしまうしかない予感を感じていた。 病院に着くと、いつも以上にひなたの周りには機械が持ち込まれ、体には何本かの管がつけられている。 その凄惨な姿に、今までにないほど危険な状態なのだと理解した。 看護師に促され、ひなたの傍に行く。 ひなたは少し目を開けているものの、何かを捉えているかどうかわからない。 口が少し動いているものの、声は出せない様子だった。 望まぬ結末はもうそこまで来ている。 俺はただ、ひなたの手を握りしめ、祈った・・ ひなたがもう苦しむことないよう・・ ひなたがもう悲しまずにすむよう・・ 翔として・・最期まで寄り添うことを許してもらえるよう・・ ひなたの拍動が徐々に弱っていき、医者たちも慌ただしくなる。 そんな中、ひなたはふと視線をこちらに向けた。 「ありがとう・・・」 感謝の言葉をか細く告げ、最期に名前を呼んで・・・ ひなたは二度と目を開くことはなかった・・・
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