転校生

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しかしもう一か月もすれば夏休みにもなるのに、なんて中途半端な時期に転校とは大変だと思う...まだ見ぬ転校生に同情とも言える気持ちが湧いた。 「それにしても変な時期に転校生だよね、しかも急に...」 「まぁそれは親の都合とかいろいろあるのかもね」 そんな会話は担任の教師が教室に入るとピタリと止まり、担任の伊藤に席に着く様に促され、生徒たちは席に戻る。 「急な話だが、今日から新しい仲間が入る事になる、仲良くしてやってくれ!」 そう伊藤は言って、転校生を壇上へと促す。 目を引くのはその出立ち、この辺りだと見ない黒い学ラン姿、背は高くもしかしたら180近いんじゃないだろうか。 そしてグレージュの髪はやや短めにし、眉はキリッと整っており、瞳は明るい茶色でやや切長、鼻筋もすっと通って唇は薄め。 何というかハーフっぽい顔立ちの少年である...にこやかな笑顔を浮かべていた。
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