33人が本棚に入れています
本棚に追加
しかしもう一か月もすれば夏休みにもなるのに、なんて中途半端な時期に転校とは大変だと思う...まだ見ぬ転校生に同情とも言える気持ちが湧いた。
「それにしても変な時期に転校生だよね、しかも急に...」
「まぁそれは親の都合とかいろいろあるのかもね」
そんな会話は担任の教師が教室に入るとピタリと止まり、担任の伊藤に席に着く様に促され、生徒たちは席に戻る。
「急な話だが、今日から新しい仲間が入る事になる、仲良くしてやってくれ!」
そう伊藤は言って、転校生を壇上へと促す。
目を引くのはその出立ち、この辺りだと見ない黒い学ラン姿、背は高くもしかしたら180近いんじゃないだろうか。
そしてグレージュの髪はやや短めにし、眉はキリッと整っており、瞳は明るい茶色でやや切長、鼻筋もすっと通って唇は薄め。
何というかハーフっぽい顔立ちの少年である...にこやかな笑顔を浮かべていた。
最初のコメントを投稿しよう!