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プロローグ
「死ぬまで嘘をつきつづける。」
私がそう覚悟したのは十年前の秋のことだ。
その日は珍しく心が晴れやかだった。そんな心を知ってか空もまた晴れやかだった。
しかし、いつまでも嘘をつくというのは心身共に傷をつける。そんな無意味な生活が十年。こんな意味のない時間にどれ程の価値があったのだろう。余りにも短い私の人生の中で、どれほど本心を晒しただろう。どれほど嘘で庇っただろう。
私はあと何時間嘘を吐きつづけるだろう。
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