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(振り返り)
あまりにクラウス側の家族が出てこないので。
一本気なおじさん、優しいけどちょっと頑固で誤解されやすいおじさん、というのがクラウスの父です。
二人は南方の遺跡近くにある教会で小さな式を挙げます。意地を張って参列を拒否したクラウスの父(と母)を気遣って、エメ側の家族も参列せず、二人きりで誓いを立てます。写真(ジーナとの番外編で出てきた魔法絵)をそれぞれの実家に贈りますが、クラウスの父はこっそり書斎の隅に飾っている様子。ねぇやことマーサは離れの目立つ場所に飾り、毎日眺めてはお茶を飲みます。指輪を贈り合う習慣はないので、エメはクラウスにもらった妖精のブローチをずっと大切にします。花嫁衣裳には、マーサから贈られたレース編みのヴェールと、義姉マリーから譲り受けたペンダントを合わせます。雪色ではなく、少し黄みがかった生成りの衣装がよく似合います。義弟アルスラからはペアのグラスを、義父母からは祝儀と結納金代わりの現金が。婿に出したものとする義父の意地に二人は笑います。土地や建物を用意しようにも、既に息子が勝手に手配してしまっているのでやるかたなしですね。
当初、クラウスの姉マリーをとびきり嫌なやつにして、マーサを仲裁役に立てようと思っていました。が、マーサは交渉ごとに関わらない線の穏やかな人にしたくなり、設定を変更しました。あとは、せっかくの番外編にドロドロした空気を持ち込みたくなくて。結果的に、はっきりと出てこない弟も描きやすくなってよかったです。同じ騎士の道を選んだ兄には強がってしまう部分があるけれど、年の離れた姉には素直に思いを言える末っ子の感じ。野心家で能力があっても長子でないから家督を継げない、そうした悪習を変えた一つの事例にも得てしてなりました。
娘の幸せを願いつつも、親の手を離れて嫁いでいくことは寂しいですね。酒が減るのも仕方がない。
制作時のメモ
・時期は本編第6章から3か月後
・エメ23歳
・クラウス33歳(王立アカデミーで仕事開始)
・弟アルスラ26歳(専科4年首席)
・姉マリー36歳(夫騎士39歳、息子12歳王立騎士アカデミー6年、娘10歳・7歳私立女学校、末息子4歳)
・マーサ73歳(クラウスとマリーの乳母・顔に大きな痣がある)
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