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あとがき
ここまで読んでくださった方へ、ありがとうございました。
前回の作品を書いてすぐに取り掛かったのですが、予想外に時間がかかりました。文章はばーっと書いたのですが、如何せんタイトルが決まらない。参りました。非常に参りました。タイトルがないと投稿もできないので、このまま死蔵かと本気で思いました。
当初、物語に出てくる「エリート」のお話を書こうと思い構想を練っていました。が、ふと、「途中で挫折したエリートはどうなるんだ?」と思ったことで物語が大きく舵を切って進み始めました。エメは才能ある超ド級のエリート魔法使いのなり損ないに、その対比として超ド級のエリート騎士のクラウスをぶつけよう、と、半ば面白半分に。物語のヒーローの登場が意識不明状態で第一声が一万字近く経ってからというのも、後々読み返してみるとふざけた話だなぁと思います。
しかしながら、書き進めるうちに、「才を持って生まれたもの」としての彼らの共通点が面白くなってきました。与えられた役割の中で苦しむクラウスと、持って生まれた才を果たせず役割を与えられないことで苦しむエメは対照的でありながら、その中に共通するものが確かにあるなあ、と。ついでに、エメの才は完全に天賦の才ですが、クラウスの才は努力と鍛錬により獲得されたものです。そこも魔法使いと騎士の大きな違いですね。
終章の最後、クラウスの台詞を書いたとき、ああ、これがタイトルだと思いました。タイトルがないままに最後まで書いてしまいましたが、結果的にしっくりくるものが付けられたので良しとします。
現実世界でも、挫けたあとに再起を図れる世の中であってほしいと切に願っています。暗いニュースに触れるたびにそう思います。これはひとりごとです。
前回のお話が10万字を超えたので、今回は3万字を目途にと思って書きましたが、結果ずいぶんと超えてしまいました。また次回の目標に。自分で決めた分量くらいは守って書きたいですね。間延びしがちなのが良くない癖です。しかしながら描ききれなかった部分、カットした部分があるのでこれはまた番外編としてこの続きに今しばらく更新を続けます。完結設定はそれが終わってから。それから、設定資料などスター特典で明日公開予定です。よろしければお付き合いください。図面が気に入っています。
次はファンタジーじゃないもの書きたいな。
ありがとうございました。
令和3年5月14日
卯の花
追伸:
当初、ファンタジーでおなじみの「魔物」の存在も練っていましたが、設定がインフレしすぎて頭が爆発しそうになったのでやめました。
ジャンルを「恋愛」にするか「ファンタジー」にするかとても迷いました。これでよかったのか今も自信が持てません。
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