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第1章
クリスマスイブ、僕は仕事のトラブルでアパートに帰れなかった。次の日、退社したのが20時で雪が降って辺りがうっすらと白くなっていた。
家に着くと、ドアの前に塞ぎ込むように座ったている美波くんがいた。
「美波くんっ!!ここで何してるのっ!?」
「龍ちゃん…おかえりぃ」
美波くんは、幼い頃実家の隣に引っ越してきた男の子だ。今は高校1年生。昔から僕に懐いてくれていて、一人暮らしを始めてからも頻繁にアパートに来てくれる。
「身体が冷たい…いつからいたの!?」
「えっと…わかんねぇ」
「と、とりあえず中に入って!」
急いでお風呂にお湯を入れ、美波くんを洗面所に連れていく。
「あのさ、龍ちゃん」
「話は後だよ!早く身体温めないと風邪引いちゃうでしょ」
「うん、そうなんだけど…身体が冷えきって動かない」
「脱ぐの手伝ってあげるから、ほら……」
初めて見た美波くんの裸は、僕が想像してた以上に鍛えられていて…心臓がドクンと脈を打った。
僕は今まで、美波くんに抱いていた感情をどの言葉に当てはめて良いのか分からなかったんだ。だけど、この時初めて…『愛』と言う言葉が1番しっくりくる事に気づいた。
僕は、美波くんをずっと前から好きだったんだ。
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