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女の子と別れてから2人で駅に向かう。
「龍ちゃん、一緒に帰るって言ってもアパート方向逆じゃね?」
「うん、そうだね」
「駅まで一緒にって意味?」
「いや、僕も今日は実家に帰るよ」
「マジで?よっしゃっ!」
本当は実家に帰る予定なんてなかったけど…何故か、女の子と仲良さげに話している美波くんを見て、不安になってしまったんだ。その不安を取り除きたくて出来るだけ一緒に居たくなった。
「ちゃんとマフラーしてくれてんのな!」
「うん、このマフラー暖かい」
「クチコミ良かったからな」
「…クチコミとか、調べて選んだの?」
「うん」
それじゃ、あのジンクスの事も知ってる?
美波くんはそれ以上何も言わなかった。僕もそれ以上聞けなかった。
「そういえば、どうしてバイト、あそこの居酒屋にしたの?」
「学校から近いから。後、さっきいた女子の紹介で入った」
「紹介?」
「あそこの店長、あの子の父親で、働けるように頼んでくれた」
「そうなんだ、…仲が良いんだね」
「そこまで仲良くねーよ。面接面倒だから頼んだだけ」
「そうなんだ」
彼女は、そうじゃないんじゃないの?
…なんて言えない。
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