第1章

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「あれ?電気付いてない…」 家の前に付くと我が家に人の気配がなかった。車もない…もしかして、出掛けてる?思いつきで来たから鍵もってないよ… 母親に電話をかけると、ちょうど旅館に宿泊しているらしい。参ったな… 「家に泊まれよ」 「え、わ、悪いよ、そんな…」 「良いから。みんな喜ぶし」 美波くんに手を引っ張られ家の中に半ば強引に連れ込まれる。 「ただいまぁ!母さん、龍ちゃん来たぁっ!」 「えっ!!?龍ちゃんっ!!?」 「ど、どうも…ご無沙汰してます…」 凄い勢いでおばさんが玄関まで来てくれた。迷惑がられるかと心配したけど、むしろ喜んでくれて、お酒まで出してくれた。 「久しぶりだなぁ龍くん!今2人で晩酌中だったんだ。龍くんもまだ呑めるだろ?」 「あ、ありがとうございます…じゃぁ、少しだけ」 「まさか龍ちゃんに会えるなんて思わなかったわ!ますます可愛くなっちゃってぇ」 おばさんは昔から僕を可愛がってくれていた。まぁ、僕が中性的な顔立ちだから、娘みたいな扱いなんだよね。もう慣れたけど。 「俺、風呂入ってくるからあんまり龍ちゃんに酒呑ますなよ!」
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