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「龍ちゃん、お風呂ありがとー。温まった!」
「あ、美波くんっ!」
「ん?何したの、慌てて…」
「何でもないよ。それより、ここに来てる事はおばさんに伝えてあるの?」
「言ってない」
「じゃぁ、今日は泊まるって電話して」
「え?泊まって良いの?」
「こんな時間に高校生を帰せないでしょ?それに湯冷めしたらそれこそ風邪引いちゃうよ」
美波くんは素直に自宅に電話をして泊まる許可をとった。それにしても、あんなに身体が冷えるって事はかなり長い時間いたことになる…。
「龍ちゃん、今までどこにいたの?」
「仕事だけど?」
「嘘だ!昨日も居なかっただろ?クリスマス、誰かと泊まりで祝ってたんじゃねぇの?」
昨日も居なかったって…美波くんは昨日もここに来たのか?
「仕事でトラブルがあって、昨日から泊まりがけでその対応に追われてたんだよ。」
「………本当?」
「何で僕が君に嘘を付く必要があるの?この目の下のクマを見れば嘘じゃないって分かるでしょ?」
「………………………うん、寝不足の顔してる」
好きって自覚したけど、何で恋人に言い分けをしてる気分なんだろう…?
「それで、美波くんはどうしたの?僕に用事でもあった?」
「うん」
「あったなら連絡くれたら良かったのに」
「サプライズしたかったんだよ…」
「サプライズ?」
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