第1章

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「龍ちゃん、お風呂ありがとー。温まった!」 「あ、美波くんっ!」 「ん?何したの、慌てて…」 「何でもないよ。それより、ここに来てる事はおばさんに伝えてあるの?」 「言ってない」 「じゃぁ、今日は泊まるって電話して」 「え?泊まって良いの?」 「こんな時間に高校生を帰せないでしょ?それに湯冷めしたらそれこそ風邪引いちゃうよ」 美波くんは素直に自宅に電話をして泊まる許可をとった。それにしても、あんなに身体が冷えるって事はかなり長い時間いたことになる…。 「龍ちゃん、今までどこにいたの?」 「仕事だけど?」 「嘘だ!昨日も居なかっただろ?クリスマス、誰かと泊まりで祝ってたんじゃねぇの?」 昨日も居なかったって…美波くんは昨日もここに来たのか? 「仕事でトラブルがあって、昨日から泊まりがけでその対応に追われてたんだよ。」 「………本当?」 「何で僕が君に嘘を付く必要があるの?この目の下のクマを見れば嘘じゃないって分かるでしょ?」 「………………………うん、寝不足の顔してる」 好きって自覚したけど、何で恋人に言い分けをしてる気分なんだろう…? 「それで、美波くんはどうしたの?僕に用事でもあった?」 「うん」 「あったなら連絡くれたら良かったのに」 「サプライズしたかったんだよ…」 「サプライズ?」
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