第3章

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「何?噂の『龍ちゃん』が来るの?!」 「この格好見せてやれよ!似合ってるから」 噂の龍ちゃん…って、僕は有名なのか? 「あれ?でもこの間フラれたんだろ?夏祭り断られてたじゃん!」 「何その話?初耳なんだけど!」 「夏祭り誘ったら断られて、その後音信不通になったらしい。夏祭り一緒に行ってやりたかったけど、彼女と行ってたからさ」 「俺も彼女と行ってたわ!」 「彼女いると、イベント事はいつも忙しいんだよなぁ!美波には分からねーかなぁ?」 「うるせー!人の傷口に塩塗りやがって…もう良いだろ?俺今から休憩だし、着替えてくるから」 「なんだでだよ、そのままいろよ!」 「無理っ!こんな格好見せられねぇ……ぁっ!」 廊下から隠れて美波くんの園児姿を撮影していたら、美波くんと目が合ってしまった。美波くんが僕を見て固まったから周りの人達も次々と僕の事を見る。 「もしかして、あれが龍ちゃん?!」 「マジ!?龍ちゃんなの!?」 「は、初めまして…龍ちゃん、です…」 一斉に囲まれて戸惑っていると、フリーズしてた美波くんがやっと再起動した。 「お前ら近づくな!今すぐ散れっ!」 「マジかぁ…話には聞いてたけど……意外とイケるな…!」 「あぁ、イケるな…!」 ジロジロ見られた挙げ句『イケる』ってなんの事か分からない言葉まで言われて、高校生のノリについていけない… 「い、イケるって何が?」 「龍ちゃんは知らなくて良いんだよ!お前ら変なこと言うなよ!」
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