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美波くんに腕を掴まれながら教室を出た。
制服に着替えてから、誰もいない〖立入禁止〗と書かれた階段をのぼり、鍵がかかっている屋上の出入口まで来た。
「うるさくて、悪かったな…」
「いや、謝らなきゃならないのは僕の方だよ」
「え?」
「あんなに仲良い友達がたくさんいて、安心した…無視してごめんね」
「分かってくれたなら良いんだよ…もう無視したりするなよな?」
「うん、約束するよ。もう、好きな人を悲しませるような行動はしない」
今までモヤモヤしていた気持ちが晴れ晴れして、自分の気持ちを素直に言葉にして伝えた。
「………………………………………………」
美波くんから何のリアクションもない…もしかして、聞こえなかった?
「好きな人を悲しませるような行動は……」
「いやいやいやっ!!聞こえてるっ!!聞こえてたからっ!!!」
美波くんは顔を真っ赤にして、目を見開きながら口を押さえて僕を見て固まっている。
「…す、好き…って、どういう意味の、好き…なわけ!?」
「どういう意味って?」
「弟みたいとか、幼馴染みとして?」
「そんなんじゃない…僕の言う好きは、美波くんと付き合いたいと思う方の好きだよ。」
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