第3章

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美波くんに腕を掴まれながら教室を出た。 制服に着替えてから、誰もいない〖立入禁止〗と書かれた階段をのぼり、鍵がかかっている屋上の出入口まで来た。 「うるさくて、悪かったな…」 「いや、謝らなきゃならないのは僕の方だよ」 「え?」 「あんなに仲良い友達がたくさんいて、安心した…無視してごめんね」 「分かってくれたなら良いんだよ…もう無視したりするなよな?」 「うん、約束するよ。もう、好きな人を悲しませるような行動はしない」 今までモヤモヤしていた気持ちが晴れ晴れして、自分の気持ちを素直に言葉にして伝えた。 「………………………………………………」 美波くんから何のリアクションもない…もしかして、聞こえなかった? 「好きな人を悲しませるような行動は……」 「いやいやいやっ!!聞こえてるっ!!聞こえてたからっ!!!」 美波くんは顔を真っ赤にして、目を見開きながら口を押さえて僕を見て固まっている。 「…す、好き…って、どういう意味の、好き…なわけ!?」 「どういう意味って?」 「弟みたいとか、幼馴染みとして?」 「そんなんじゃない…僕の言う好きは、美波くんと付き合いたいと思う方の好きだよ。」
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