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「み、美波くん…っ!ちょっと待って…っ!」
「何?まだ、何かあんの…?」
突然押し倒されて、美波くんの長くて細いのに男しい指が顔にかかった僕の髪を撫でるように避ける。
「僕、キスするの…初めてなんだっ!」
「………………え…?!」
「ごめん、だからちょっと、緊張しちゃって…」
美波くんはすごい驚いた顔をした。やっぱりこの年でキスもしてないって、おかしいのか?こんなに驚いてるってことは、美波くんはもうファーストキスを済ませてる!!?
軽く想像してショックを受けていると、美波くんの顔が真っ赤になった。
「…美波くん?」
「龍ちゃん…本当に覚えてないんだな、この間の事」
「この間?」
「家で酒飲んでデロデロに酔っぱらった時の事だよ」
「あぁ…うん、覚えてないけど…あの時僕、何かし……っ!!」
喋っている途中に美波くんの柔らかい唇が僕の唇に重なる。突然の事に身体全体がビクッと跳ねた。
「あの日、俺のファーストキスをこうやって奪ったくせに」
「……………えっ、嘘っ!?」
「嘘じゃねーし!!めちゃくちゃキスされた!舌まで入れてきたじゃん!」
「まっ、待って!!い、言わないでっ!」
酔っぱらってたからって、美波くんにディープキスまで…そんな大胆な事したの!?しかもそれを覚えてないなんて…信じられないっ!!
でも…美波くんの初めてが僕だってことが何よりも嬉しかったりする。
「龍ちゃんキス上手かったから初めてだと思わなかった」
「だからやめてって!」
「だぁめ、やめねぇ…罰として思い出すまでやってやるよ」
この後、思い出せるわけもなく、されるがままだった。
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