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「良いじゃない!一緒にお昼食べようよー!」
「は?嫌だよ、何で休みの日までお前らの顔見なきゃならないんだよ」
「ひっどーい!」
「言っておくけど酷いのはお前だからな!」
二人が言い争いを始め、周りの視線が集まる。さすがに僕も嫌だからとは言えず、その場を丸く納める為一緒にお昼を食べようと提案した。
言い争いは止まったものの、美波くんは不機嫌そうだ…
「俺トイレ…」
「あ、わたしも。行ってくるね」
美波くんとお友達が同時に席を離れて、桜井さんと2人になると気まずい空気が流れた。
「美波とまだ仲良くしてるんですね」
「え?」
「わたし、言いましたよね?美波とあまり関わらないでって」
「…言われたけど、それは出来ないよ」
「そのせいで美波が友達から嫌われても同じことが言えますか?!」
文化祭で、美波くんが友達と良好な関係なのは自分の目で見て良く分かった。僕がしなきゃならない事は、桜井さんが言った事が現実にならないようにする事。
「その時はちゃんと美波くんと話し合って、お互いが納得できる答えを出すよ。だから、僕たちの関係にあまり口を出さないで欲しいな」
「………………っ…!」
「それと…」
「な、何ですか?」
「人の気持ちを無視した君の強引なところ…直さないとお友達に嫌われちゃうよ。美波くんが本気で嫌がってたの、気づいてない訳じゃないよね?」
「………………」
「お待たせ。飯、どこ行く?」
美波くんとお友達がトイレから戻って来た。
「やっぱり、わたしたち帰るわ!」
「え?な、何したの??」
すると、桜井さんはお友達の手をとって僕たちから離れていく。
「は?龍ちゃん、何かあったの?」
「何もないよ」
「……まぁ、助かったから良いけど」
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