第1章

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それから僕たちは同じベッドで休んだ。 朝起きると、美波くんが僕を抱き枕のようにして眠っていた。…寝返りしたくても出来ない…身体中が固まって痛いんだけどなぁ。 「み、美波くん、起きて…苦しい」 「…………ぅぅ…ん…」 「……おーきーてっ!」 無理やり身体の向きを変えると、美波くんの顔が思ったよりも近くにあって驚いた。心臓がバクバクしてる…こんなに近くで見ることなかったけど、整った顔立ちをしていて、いつ見てもカッコイイと思う。 「美波くん…」 美波くんは昔から僕を兄のように慕ってくれて、懐いてくれてて、僕は弟が出来たみたいで嬉しかった。でも今は、美波くんに兄のように思われたくないと我儘な事を考えてしまう。 なんか、切ないな… 好きって自覚しなければ良かったのかな…。 スマホのアラームが鳴る。そろそろ準備をしないと仕事に遅刻してしまうから、無理やり美波くんを起こした。 「朝からくすぐって起こす事ないだろ!?まだ眠いのにぃ…」 「ごめんね、仕事休みじゃないから早く準備しないと遅刻しちゃうんだよ」 「そういう事は昨日の内に伝えろよ」 「ごめんってば。美波くんはどうする?」 「俺も一緒に家出るから大丈夫」 それから、僕は約束通り昨日美波くんから貰ったマフラーをまいて家の前で美波くんと別れた。
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