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「先輩、おはようございます!」
「おはよう、田口くん」
「聞いてくださいよー!イブとクリスマス会えなかったの俺のせいじゃないのに彼女にキレられて大変だったんすよ!」
「そうみたいだね、頬っぺた腫れてる」
「あの凶暴女…手におえないっすよ」
もううんざりだと愚痴るくせに、仲直りしてどこか幸せそうな表情の田口くんを羨ましく思う。
「先輩、そのマフラー…」
「これ?昨日プレゼントで貰ったんだ」
「マジすかっ!?彼女っすか!?」
「いや、彼女じゃないけど…」
「うわぁ、先輩も罪な男っすね」
罪な男って…
「そのブランドのマフラー、好きな人にプレゼントすると両思いになれるだ!って、俺の友達がクリスマスプレゼントに選んでたっすよ」
「え…何それ?」
「良くあるジンクスってやつっすよ!ちょっと待ってくださいね」
田口くんはスマホを取り出し、検索をするとすぐに出てきたようで僕に画面を見せる。
「ほらここ、『マフラーを片思いの相手にプレゼントしたら付き合えた』って掲示板の書き込みが結構載ってますよ」
「…いや、こういうの真に受けるタイプじゃないし…」
「えー!?でもこういう気持ちでプレゼントされたんだったら嬉しくないっすか?」
「それは嬉しい…けど」
「まぁ、分からない相手の気持ちより、貰った先輩が気持ちをどう受け取るかっすけどね!」
田口くん…何で君は偉そうなんだ?
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