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「ここ数日本当に忙しかったっすね!」
「やっと落ち着いた感じだよね」
トラブルも解決し、ようやく通常業務に戻ってきた頃、田口くんからの呑みに誘われて久しぶりに居酒屋に来ている。
「先輩って、彼女つくらないんすか?」
「彼女かぁ…いたことないな」
「えっ!!?マジっすか!?じゃぁ、童貞!?」
「そんな驚くことかな?今まで大切に想える子に出会えなかったってだけの事だよ。………いや、昔から出会ってたのに最近までその事に気付かなかっただけかな」
自分が言った言葉に違和感を感じて、すぐに修正する。
写真のどこが変化したか当てるゲームのように、美波くんに対する気持ちは、違和感なくゆっくり、だけど確実に変化していて、気付いた時には最初の頃とは全く違う感情になっていたんだ。
「純愛っすね!男なら学生時代に好奇心から童貞捨てる奴ばっかっすよ!」
「…え……!?そ、そうなの?」
「俺が高校生の頃は、良いなぁって思った子に告白したりされたりして付き合って、ヤル奴が多かったすよ」
「…良いなぁってだけで出来る行為なの?」
「まぁ、高校生なんて性欲の塊っすからね!先輩みたいなのは希少っすよ」
僕の考えが常識だと思っていたけど逆だった?
どうしよう…急に不安になってきた。
美波くんは今、高校生で…性欲の塊…!?本人は言わないけど、今年の文化祭に来てって言われて行った時、女の子に囲まれてたし告白くらいされてるよな…。
「先輩っ!別に希少ってバカにしてる訳じゃないですから、ヘコまないでくださいよ!?」
「大丈夫だよ、へこんでないから」
「そうすか?じゃぁ、呑み物おかわりしましょー!」
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