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「先輩もう一件いきましょうよ!」
「明日休みだからって羽目外しすぎたよ。彼女も帰り遅いと心配するでしょ?」
「あぁ、そういえば着信あったんだった!」
「ほら、早く連絡してあげて」
「そうっすね!じゃぁ、月曜日会社で!」
「うん、おやすみ」
お店から少し離れた場所で美波くんを待っている間、寒いはずなのにアルコールのせいか身体は火照っている。それでも美波くんから貰ったマフラーは外したりしなかった。
数分してからお店から出てくる美波くんを見つけた。
「美波く……っ」
呼び止めようとしたら、隣には小柄で可愛い女の子がいた。一緒にお店から出てきたから、同じバイトの子だろう…凄い親しそう。
僕の前では見せたことがない笑顔で女の子と話してる姿をみて胸がズシンとして苦しくなった。
「龍ちゃんっ!?」
「……あ、美波くん…」
話しかけられないでいると、美波くんが僕を見つけて近づいてくれた。
「どうしたんだよ?待ってたの?」
「あ、うん、一緒に帰ろうと思って…でも、その子と帰るよね」
何故か女の子は僕を見て驚いた表情をしている。それを隠すかのように手で口元を押さえているように見えた。
「私たちはいつもあそこの信号でサヨナラするんで大丈夫ですよ」
「じゃぁ、一緒に帰ろうか」
「え、あぁ、うん……?」
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