9-350『俺の友達、私の友達』

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「はぁぁぁ……………」 《ガラガラガラガラ……………》 扉を引きながらため息を誤魔化して…………… 「ごめんなさい……………遅くなっちゃった」 目をやると同時に目を疑わずにはいられなかった、そこに居たのは想像以上に申し訳なさそうにしていた英里ちゃん、なんなら少し泣いた後みたいな顔をしていた英里ちゃんが…………… 「気にしないでっ!待ってたよ……………」 あんまりにも突然の事で、心臓とかバックバクで、気の利いた事は言ってあげられなかった そればかりか俺ってば、ほぼ同時に「これにて素敵な【恋】と誕生日が始まるんだ」って思っちゃったら、まずは条件反射みたいに髪みたいな色になってしまったこの顔を、なんとしてでも急いで普通の色に戻さなきゃって…………… もしも一緒に入れたなら、きっと良かったのにさ、肩をそっとトントンって、それが勇気の限界だったつーか、本気で【好き】だからこそやっぱしどうすれば良いのか解らなくて 俺は一緒に入ってあげられなかった、既に手に持っていた煙草をポケットに戻す事は出来ず、そのまま背を向けてしまったんだ……………
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