白薔薇のシラハ

5/11
前へ
/16ページ
次へ
「多分お姉ちゃんは体の異変に気づいてない」 「そうですね。今回は珍しく料理するところを見ることができました。それに、はじめの挨拶に気づいていなかったのに驚きました」  お姉ちゃんは挨拶を必ずしてくれます。それが無かったということは――。 「どうしますか? このままだとアオハやオウハが気づきます。二人が気づいたら、何か厄介なことが起こるかもしれません」 「アオハは午前中から学校だけど、オウハは午後からだからバレる可能性は無いわけじゃない」  もしお姉ちゃんが風邪を引いていた場合、私たちは姉妹園の仕事のみなのでどうにかなりますが、アオハとオウハは夏期講習があるのでそうもいきません。  二人は夏休みのどこかで友達と遊びに行くと言っていたので、友だちと遊ぶ日に風邪を引いてしまったら大変です。  それにお姉ちゃんの風邪が移ってしまったと知れば、お姉ちゃんはきっと責任を感じてしまうかもしれません。その状況にさせないためにも、二人を学校に連れて行った方が最善策だと思われます。 「アオハは学校に行くとして、オウハは午後からの夏期講習を午前中、又は一日にしてもらいますか?そしたら、アオハにオウハを送迎してもらった方が良いかと思います」 「そうだね。じゃあ担任の先生に連絡する。理由は正直に話さない方が最善かな」 「そうですね。では連絡を取り次第、私は二人に話をします」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加