赤薔薇のクレハ

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赤薔薇のクレハ

 私の名前はクレハ。海の街ではちょっと有名な五人姉妹の一番上のお姉さんなの。来週の火曜日に27歳になるよ。  私は[姉妹園]の店長をしているの。姉妹園は姉妹で薔薇を育てている薔薇専門店だよ。  毎日街の人たちが買ってくれるの。時々観光の人が買ってくれることもあるくらい人気だよ。  私が育てている薔薇は恋のように真っ赤な赤薔薇。色んな人たちが買ってくれるけど、特に恋をしている人たちが多いかな。  私の薔薇はとても赤いけど、妹たちの薔薇はいろいろな色があるの。とても鮮やかで見惚れちゃうくらいきれいなの。  私の1日を教えるね。私の1日は妹たちより早く起きることから始まるの。 6:30 「ふわぁ、おはよう。ってまだ誰も起きてないの」  私はいつもみんなの朝ごはんを作るために早起きするの。  妹のモモハほど得意じゃないけど、朝ごはんくらいなら作れるから朝はいつも私がご飯を作ってるの。すごいでしょ?  みんなを起こさないようにそっと部屋を出てキッチンに向かう。  キッチンに着いたらまず初めに顔を洗って眠気を覚ます。そうしないと朝ごはんが上手く作れないの。  この前は顔を洗うのを忘れて卵焼きを作ったら砂糖と塩を間違えてしかも焦がしちゃったの。だから台所に着いたら必ず顔を洗って眠気を覚ますの。  顔を洗ったら次は手を洗う。しっかり洗わないとみんなの朝ごはんにバイ菌が入っちゃうの。 6:35  きちんと洗ったらいよいよ朝ごはんを作るの。今日はアオハが学校に行く日だからたくさん食べられる小さいサンドイッチを作ろうかな?  アオハはいつも寝坊しちゃうから朝ごはんを急いで食べて学校に行くの。だからアオハが学校に行く日はかんたんにたくさん食べられるパンにするんだ。  今日は昨日作ったばかりのバラジャムを使おうかな。バラジャムは姉妹園で育てた薔薇を使って昨日作ってみたの。味見もしてあるから、あとはみんなが美味しいって言ってくれたら新商品で出そうかなって思ってるの。  他にもいちごジャムとかハムとチーズを挟んだりとかしようと思ってるの。  サンドイッチ作り、始めるの! 7:00 「よし! できたの!」  色んな種類の小さいサンドイッチを人数分作ったの。みんな食べる量が違うから本当は大きいお皿に盛って取って食べてもらえると良いんだけど、起きてくる順番がバラバラだから小さいお皿に盛らないといけないの。  シラハは見た目より良く食べるから少し多めに。  モモハは食べる量が少ないから少なめに。  アオハは育ち盛りだから多めにお皿に入れるの。  オウハは中学生だからシラハより少し少なめに。  お皿に盛ったら降りてくる順番にお皿を置いていく。初めに降りてくるのはシラハとモモハだから二人の席に先に置くの。  階段を降りてくる音が聞こえてきたら、二人のコップに紅茶を注ぐの。紅茶は私が育てた赤薔薇を使っているの。赤薔薇の紅茶は香りが少ないけど深い甘みがあるの。だから朝にこれを飲むと、夕方まであまり疲れなくなるの。 「おはようございます」 「おはよ」 「おはよう。早く顔洗ってくるの」  シラハとモモハは二人揃って顔を洗いに行ったの。二人共猫舌だから席につく頃には紅茶は少し冷めてちょうど良いかも。赤薔薇の紅茶は冷めても美味しいの。  紅茶が入ったコップを置いたら次はアオハの飲み物を準備するの。アオハは赤薔薇の紅茶にブルーベリーを入れるのが好きだから庭から採りに行かないといけないの。  庭にはたくさんの植物を植えているの。足りなかったときは庭から採っているの。 7:03  庭からブルーベリーを採ったら紅茶に潰して入れるの。アオハはこれが大好きなんだ。  ブルーベリーを入れたら氷を入れてかき混ぜる。ブルーベリーのいい香りが紅茶の深い甘みを包み込んでいるの。 7:04  アオハの飲み物が準備できたら冷蔵庫にしまっておくの。そのままにしておくと氷が溶けちゃうから。  そろそろ二人が帰ってくるかな?
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