白薔薇のシラハ

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6:55 「ふぅ、昨日は洗濯ができなかったので今日はたくさんありましたね」  昨日は雨で洗濯ができなかったので三日分の洗濯物が溜まってしまいました。乾燥機などがあれば良いのですが、収入があるとはいえ、乾燥機を買うお金がないのが悔やまれます。  ですが、もう少ししたら乾燥機を安く買える時期になるので、そこを狙って今度こそ乾燥機を買えるように頑張っています。  この家はある建築家に頼んで作ってもらった特別な家です。例えば、じゃまにならないように作られた棚や机、更には行き来がしやすい廊下など、使いやすさが重視されています。  なので二階にいても一階の洗濯部屋に届けることができる小さな通気孔のようなものがあります。  私はいつもこれを使って洗濯物を二階から一階におろしているのです。 「よいしょっ」 ガタン スーッ  大きい音がなりにくい構造になっているそうなので朝に使うときはとても便利です。 「さてと」 「おはよ、シラハ」 「おはようございます、モモハ」  階段を降りようとしたところでモモハと会いました。モモハは目をこすってあくびをしています。 「今日お姉ちゃんの調子悪い日?」 「パジャマが畳んでいなかったのでおそらくは」  モモハは洞察力が優れているのでお姉ちゃんのパジャマの畳み方が違うことに気づいたのでしょう。 「何事も無ければ良いのですが」 「シラハ、お姉ちゃんのことだからそれは多分無理だよ。きっと」
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