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画面をタップして通話終わらせると、彼女はスマホをコトンっと机の上に置いた。
そして、そこに広げたままの状態で置かれたノートに目を止め、ページの端をビリっと破り取った。
切れ端を手に取って、自分が描いたイラストを見つめる。
クスッ。
ノートを借りたやきもち焼きの真紘が、これを見て黙っていられるはずがなかった。
全ては彼女の思惑通り。
「バイバイ、間宮くん」
そう言って掌の中でくしゃりと丸めると、彼女はなんの躊躇もなく、それをゴミ箱に捨てた。
彼女が本当に好きだったのは……。
「ねぇ、母さーん、お腹空いたー」
了
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