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そうやって彼女は凌の彼女になった。
「真紘くんも、一緒に帰りましょうよ」
「いや。俺は、ちょっと、寄るとこあるし……」
もうずっと前からそうだったみたいに凌の隣には彼女がいて。
「寄るとこってどこ?私達も付き合うよ。ねっ、間宮くん」
決まってそんな風に会話の最後には凌の名前を呼んだ。
助けを求めるみたいに真紘は凌をチラチラと盗み見る。
一緒に帰るなんてまっぴらだった。
なのに
「遠慮することなんてないよ。真紘、一緒に帰ろう」
真紘の大嫌いな優しい表情で凌はそう言った。
まるで真紘の何かに仕返しするみいに。
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