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「ねぇ、真紘は誰が好き?」
クスクスと笑いながら凌は聞く。
こそっと耳元で囁くから、ふたりの距離は近くて。
心臓が早く打つ。
「誰って」
そんなこと言えない。
だから、真紘は返事の代わりに、身体を横に移動させて、近過ぎる自分と凌との間に距離をとる。
「誰?」
なのに、遠ざけたぶんだけ余計にはっきりと、凌の整った顔が見えてしまう。
「そんなことを聞いてどうするんだよ?」
「別に。どうもしないよ。ただ、知りたいだけ」
嘘だ。
「ねぇ、誰?オレに教えてよ」
絶対に嘘だ。
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