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カエルの魂胆は分かっている。
王国への帰還をチラつかせた上で、学業に専念するよう促しているんだろう?
この世界で生き残るためには、なによりも勉強が肝心だ。
サリエルが任されていたのは私の保護だが、カエルに任されていたのは保護だけではない。
私が自立して生きていけるよう、父君に頼まれていたのだった。
こっそり、そのことをサリエルから聞いていたのだ。
元の世界に戻れないのなら、せめてこの世界で生きていけるようにしなきゃいけない…。
日々の暮らしの中で、そんな弱音を吐いていることもあるそうだった。
「とは言ってもだ、ケンシンの授業は面白くないんだよ」
「先生を、あだ名で呼ぶのはやめなさい…」
私たちがボソボソ言い合ってるとまた、ケンシンが怒鳴った。
「こら、西崎!」
あーもううるさい。
だいたい類人猿ってなんだ。
そんなものが役に立つとは思えない。
まだ数学のほうがマシだ。
せめてテストの点だけは確保しようとノートに書くが、どうにもペンが進まない。
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