学校帰りの買い出し②

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 カエルの魂胆は分かっている。  王国への帰還をチラつかせた上で、学業に専念するよう促しているんだろう?  この世界で生き残るためには、なによりも勉強が肝心だ。  サリエルが任されていたのは私の保護だが、カエルに任されていたのは保護だけではない。  私が自立して生きていけるよう、父君に頼まれていたのだった。  こっそり、そのことをサリエルから聞いていたのだ。  元の世界に戻れないのなら、せめてこの世界で生きていけるようにしなきゃいけない…。  日々の暮らしの中で、そんな弱音を吐いていることもあるそうだった。  「とは言ってもだ、ケンシンの授業は面白くないんだよ」  「先生を、あだ名で呼ぶのはやめなさい…」  私たちがボソボソ言い合ってるとまた、ケンシンが怒鳴った。  「こら、西崎!」  あーもううるさい。  だいたい類人猿ってなんだ。  そんなものが役に立つとは思えない。  まだ数学のほうがマシだ。  せめてテストの点だけは確保しようとノートに書くが、どうにもペンが進まない。
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