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「…どうか、したのか?」
振り向いた先で私はカズに尋ねたのだ。
なんでそんなに怯えているんだ…?と。
まさかケンスケたちにいじめられているとは思っておらず、率直に抱いた疑問をそのまま彼にぶつける以外になかった。
彼は無言で私の横を通り過ぎ、スタスタとケンスケたちの元へ近づいていった。
「早くジュース買ってこいよ」
ケンスケがカズに向かって放った言葉は、その抑圧的なトーンで、友好的な感情の下に成り立つ言葉ではないことは明白だった。
ジュース買ってこいって、どういうことだ?
カズはケンスケの言葉に対して俯いたまま、困惑しているようだった。
「…ごめん、ケンスケくん。今日はお金持ってないんだ…」
「はあ!?」
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