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「ケンスケ。そこらへんにしといたほうがいいぞ?」
「あぁ!?」
「あぁ、じゃなくて、カズが嫌がってるだろ」
ケンスケは顰めっ面のまま、ズカズカと私の方に歩み寄ってきた。
俺に喧嘩売ってんのか?
そう言って、背の低い私のことを見下ろす。
聞こえなかったようだから、もう一度促した。
そしたら、バッと片手で突き飛ばされ。
「女子だからって容赦しねーぞ、俺は」
まさかの展開にビックリしてしまった。
突き飛ばされるとは思わなかった。
…と言うより
「大丈夫ですか?!お嬢様」
…大丈夫なわけがないだろ
私の…
私の…
抹茶フラペチーノが!!!!!!!
「俺はケンスケに用があるんだ。こっちが終わったら次はお前だ」
「…待て」
「あぁ??」
「どうしてくれるんだ?」
「どうするって、何を?」
「この“惨状”をだ。見えないか?この状況が」
ちょっとやそっとのことじゃ私も腹が立たないが、突然起きた現実を直視できなかった。
まだ半分しか飲んでなかった。
しかも、“グランデ”だぞ?
500円以上もする至高品が、地面にこぼれてしまったのだ。
カップから飛び出した緑色の液体が、修復不可能な惨状を物語っていた。
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