学校帰りの買い出し②

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 「ケンスケ。そこらへんにしといたほうがいいぞ?」  「あぁ!?」  「あぁ、じゃなくて、カズが嫌がってるだろ」  ケンスケは顰めっ面のまま、ズカズカと私の方に歩み寄ってきた。  俺に喧嘩売ってんのか?  そう言って、背の低い私のことを見下ろす。  聞こえなかったようだから、もう一度促した。  そしたら、バッと片手で突き飛ばされ。  「女子だからって容赦しねーぞ、俺は」  まさかの展開にビックリしてしまった。  突き飛ばされるとは思わなかった。  …と言うより  「大丈夫ですか?!お嬢様」  …大丈夫なわけがないだろ  私の…  私の…  抹茶フラペチーノが!!!!!!!  「俺はケンスケに用があるんだ。こっちが終わったら次はお前だ」  「…待て」  「あぁ??」  「どうしてくれるんだ?」  「どうするって、何を?」  「この“惨状”をだ。見えないか?この状況が」  ちょっとやそっとのことじゃ私も腹が立たないが、突然起きた現実を直視できなかった。  まだ半分しか飲んでなかった。  しかも、“グランデ”だぞ?  500円以上もする至高品が、地面にこぼれてしまったのだ。  カップから飛び出した緑色の液体が、修復不可能な惨状を物語っていた。
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