学校帰りの買い出し②

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 「…お、お嬢様?」  どうやら、状況が変わってしまったようだな。  話し合いで片をつけるつもりだったが、わからせてやる必要があるらしい。  「なんだよ、話は後でするって…」  ゴゴゴゴゴゴゴゴ  ケンスケが何か言ってるが、関係なかった。  怒りで頭が回っていなかったのだ。  私は魔力を使い、“戦闘モード”に移行した。  「お嬢様!!魔法を使ってはなりません!!!」  カエルが何か言ってるが関係ない。  突き飛ばされるのはまだしも、至福のひと時である「抹茶タイム」を邪魔されたのだけは、どう頑張っても抑えきれない。  「…ちょ、何!?」  公園の木々が風に揺れる。  ケンスケたちの服も同様、バタバタと波打ち始めた。  私の「魔力」は王族きってのものだ。  そんじょそこらの魔物だか魔法使いだとかの「純度」とは比べ物にならないほどの差がある。  魔力の展開によって風や地響きが湧き起こるのは無理もなかった。  その気になれば、町1つ破壊することくらい…  「お嬢様!!」  「わかってるって」  何も子供相手に本気を出そうってわけじゃない。  人を傷つけることは御法度。  それはサリエルから痛いほど言い聞かされてきた。  それがたとえ「悪者」であろうと、例外なしだ。  だがな…  人ってものは、やっていいことと、やっちゃいけないことがある。  それはカエル、お前もわかるだろう?  それにな、ケンスケみたいなタイプは、一度思い知らせてやるくらいが丁度いいんだ。  自分が一番強いと思ってる奴ほど、足元の現実を見た時に思い知る。  「言葉」じゃわからないんだ。  だから——
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