16人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
やれやれ
そう思いながら、何事もなく健全な高校生活を送っているように見えるが、勘違いしてはいけない。
私は女子高校生でも、ましてや、学業を嗜む一般市民でもない。
私は、プリンセスだ。
次期王妃たる立場の人間なのだ。
本来なら、今頃昼時のティータイムを嗜んでいるような身分であるはずなのに、なぜか、他の市民と変わらぬ生活を送っている。
朝から晩まで習いたくもない勉強に勤しんで、露出の激しいスカートを履き、登下校の道中にすれ違ったクラスの人たちと肩を並べて、
「おっす!」
とか訳の分からない挨拶を交わし合う日常を、送っている。
だが、そんな軽いノリで、日々を過ごしている場合ではないはずなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!