16人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「あわわわわ…」
ケンスケたちは私を化け物を見るような目で見ていた。
無理もない…
自分でも驚いたんだ。
まさか、あそこまで魔法の出力が自分の意識と乖離しているとは思わなかった。
あの後カエルにはこっぴどく怒られた。
人前で魔法を使ってはいけないだとか、いついかなる時も「暴力」の“手段”にしてはいけないだとか、まあ、そんな感じ。
サリエルには言わないでおいてくれた。
カエルなりの気遣いだったのだろう。
あの時のことは感謝している。
私の代わりに柵の修理のことだったりとか(魔法を使って人間に化け、謝罪と修理費の計上を行ってくれた)、抹茶フラペチーノをもう一度買ってくれたりとか、諸々。
あの後どうなるかと気が気じゃなかったんだ。
せっかく買い直してくれたフラペチーノもほとんど味がしなかった。
「殺される」という予感が、頭の中によぎっていたから。
あの日からだった。
カズが、私を“スーパーマン”だと言い始めたのは。
ケンスケたちは私を怖がっていたが、カズは違った。
尻餅をつき、怯えた目でケンスケたちが退場していった後、その向こうでキョトンと目をまん丸にした彼が、私のことをじっと見ていた。
ポケーっと口を開けたまま、怖がる素振りもなく。
最初のコメントを投稿しよう!