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水城という男は新しく出されたオレンジジュースを、ごくりと一口飲んだ。
「ああ、美味しいな!基山さんが言う通り僕は俳優をやっています。所属は日本芸術界事務所です」
「日本芸術界事務所!?」
日本芸術界事務所は、俺でも知っているくらいの芸能事務所だ。ハリウッドに進出した俳優がたくさんいることでも有名だ。
「自慢じゃないですけど、ドラマや舞台の出演もいくつかあるんですよ。大河ドラマにも出演予定があり……ここだけの話、ハリウッドからも先日オファーが来たんですよ」
上機嫌に話す水城を横目に、絶対嘘だろと思った。それだけ出演していたら、嫌でもどこかで名前を耳にするはず。会社の女性たちの間でも話題になったりしているだろう。
話しを聞いていただけの俺の隣に、また別の男性が座って話しに加わってきた。
「ハリウッドですか!自分は今度テキサス州に行きますよ」
「あの、あなたは?」
話しに入ってきた男性に尋ねた。
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