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「そうだね、ここまで進んで来れたのもこの店とママのおかげだよ。暫く来れない日が続くけど落ち着いたらまた来るから」
吉塚は、さっきの照れた様子とは違い、凛とした表情でママに言った。
「おっと、自分はもう帰らないといけないな。あ、でも帰る前に君の話も聞かせて欲しいな。えっと、名前は……」
「すみません、名乗ってなくて。基山です。基山航輔」
俺はメロンソーダを飲み干して応えた。
「そうね、基山さんの話も聞きたいわ。これはサービス!」
おかわりは頼んでないけれど薫子さんがもう一杯メロンソーダを出してくれた。
「僕も基山さんの話しを聞きたいですね。ママ、このメロンソーダにアイス入れてあげて下さい。僕からの気持ちです」
「え、俺の話しですか……?」
隣の嘘っぱち俳優、隣の宇宙飛行士気分のお兄さん、BARとか言っておきながらお酒がひとつもない店のママ。
俺だって負けてないぜ。聞いて驚け。
「俺は……」
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