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彼はよく、カラスを枕にして日向で昼寝をしていたらしい。
人間が来たら起こしてもらって、素早く土に潜る。いなくなったら、また日向に出ていって昼寝をする。
「アイツが都会に引っ越してから、オイラはずっと寝不足なんだ。今日は久しぶりに日向ぼっこができると思ったのに、散々さ」
約束を交わすでもなく、気が向いたら顔を出して、ただ一緒に過ごしていたという。
それほど気心の知れた友と会ってきたというのに、彼は不機嫌だった。
「見ろよ、これ。お土産だとさ」
「よかったね」
「全然よくない。アイツは足が汚れるからって畑に入らなかったんだ。このハンガーも、石の上から『見てごらん』って渡された……『ごらん』だぞ? 気色悪い。アイツは都会に染まっちまったんだ」
カラスは枕にもなってくれなかったらしい。
話を聞く限りでは、カラスは見張りをしてくれたし、羽でお腹を撫でてくれたらしいけど、彼はどうにも不服みたいだ。
手はしきりに土を叩いているし、お土産のハンガーはお尻で踏んでいた。
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