思わなかった

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思わなかった

一瞬自分の耳を疑った 「本当?それ」 「ガチだよ!」 こいつはこんなヤバい嘘つかないか でもまだ死んだって実感がなかった。 津田は中学生の時仲良くなった奴だった。 いつも六人で遊んで怒られて、笑って 昨日のように思い出せる中学時代 頭もよくて地元で一番の進学校に通っていて 昨日も会ったばかりだ 「そうか」 「葬式会場はくつろぎってとこだってよ、午後六時から始まるって」 「わかった」 それで電話は切れてしまった あいつは死んでるのか? 実感がなかった。 信じられなかった。 それからの時間はあまり覚えていない 気が付いたら午後五時になっていて 蒸し暑い外に出る LINEを見てみると俺たち六人のグループが動いていた みんな津田に返答を求めていた けれど津田は既読すらつけていなかった イヤホンを耳にかけ、歩きだした。
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