後ろ姿

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「……」 今日も僕はあの子の後ろ姿を眺めている。 斜め前にいるあの子。 いつも笑顔で、誰にでも優しくて、皆の人気者。 初めて話をした時から、僕は彼女のことが好きになった。 けど、僕には気持ちを伝える勇気はない。 きっと振られるだろうから。 この前、彼女が告白されている場面に出くわした。 彼女は「好きな人がいる」と告白を断っていた。 僕はそれを聞いて頭が真っ白になった。 彼女ほどの人なら好きな人がいても可笑しくないだろう。 それでも、僕はとてもショックだった。 「…君に好きと伝えられたら良いなぁ」 僕は誰にも聞こえないような声でそう呟いた。 叶わないのは分かってる。 けど、日に日に気持ちは強くなっていた。 「(直ぐに君に好きと伝えたいなぁ。)」 勇気が出ない。 そんな臆病な自分に嫌気が差した。 それを振り払うように、僕はノートに目を移した。
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