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「あ、やっぱり先にお風呂に入った方がいいかも。」 ベッドに下ろされて、目の前に和宏しか見えないくらいに近寄られた時、急に移動と片付けと料理で埃や汗が気になってきた。 「いいよ。どうせ汗かくし。」 いつもの和宏と少し違う色気の滲む男の顔をしている。 「和宏?」 「ごめん、散々待たしたやつのセリフじゃないのは分かっているけど、もう待てない。瑞稀を抱いたらまた手紙が残されていて、ひとりになるんじゃないかって、結構トラウマだったみたいで、この半年帰る瑞稀を見送るのが辛かったんだ。 でも結婚したし、瑞稀の家はここだから安心して朝まで瑞稀を抱いていられるんだよな。」 「あの…和宏、朝までってごはんとお風呂は?」 「それは途中に入れる。」 途中?途中って何?! 私の疑問は、何も考えられないほどのキスの雨にかき消された。
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