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私の勤めるパン屋さんは、郊外の大通りに面した路面店で店主の真理子さんも3人いる店員も全員女性という理由で決めた職場。
すっかり男性に近寄れなくなった私に無理な進学や就職を誰も勧められず、引きこもり1年のあと、このパン屋でのアルバイトにようやく落ち着くことができた。
最初は、接客で男性がレジ前に立つのもダメだった私を事情を知った真理子さんもほかの皆さんも責めることなく、やれる事をしてくればいいと温かく見守ってくれた。
おかげで最近は、やっとカウンターを挟んで1対1でお金のやり取りくらいなら男性相手でも出来るようになってきている。
「真理子さん、カレーパン終わりです。」
「瑞稀ちゃん、セール品を袋詰め始めて。」
「はい。」
午後3時を過ぎると帰りにパンを買う人用に残っているパンを3個ずつ入れたセール品が出始める。
これを買いに高校の部活帰り男子たちが、やって来るので、私は奥で袋詰め担当になるのが、働き始めてからの日課になっていた。
集団で訪れる男子高校生に私を近寄らせないようにしてくれているのだ。
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