2、ご指名ありがとうございます

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 さて高田彩華はどんな人か。私は彼女の一挙一動に注目する。彼女は残念そうな顔でそっかぁと零す。 「じゃあこの状況についてはわからないってことだよね~。あたし酒飲みすぎて頭おかしくなったんじゃないかとも思ったんだけど、酒の酔いも覚めてるし」  この変な場所でこのような状況になっていなければ、私は彼女のようなタイプの人間とは縁がなかっただろう。 「そういえば、さっきコンビニの商品が動いたとか何とかって言ったけど、やっぱりほかに人いるんじゃないの?」  いたとして商品をきれいに並べる理由はなにか、それに集団で消えるにしても壁はどうなる?  私が一人考えていると高田彩華はだれか隠れていないか探してみようと提案。私は賛成しながら隠れているとしたらなんのためにと思う。  私と彼女はそれぞれ街を探索する。と言っても私は人を探すことより、まだ入っていない家が気になり調べに入る。  ベッドがある家以外はどうなっているのか、それが気になった。  まず一つ目……と言っても全部で三件しかないが……、一つ目の家へ入る。鍵は開いていた。  そこはベッドもなく家具という家具はない点は同じだが、キッチンがあった。コンロに鍋、フライパンと料理に使いそうな物一式に、電子レンジと冷蔵庫があった。  じゃあもう一軒は……、そう思いもう一軒の方へ行き見てみることに。  そこはキッチンもベッドもなく家具も何もない。ここだけなにもないのかと思い、入り口すぐ横にあったドアを開ける。脱衣所とお風呂があった。  一応このおかしな場所で生活は出来そうだが、そんな分割しないで一か所にまとめてほしいと思う。 「山口さーん!誰かいたー?あたしは誰も見なかったんだけどー!」  高田彩華の声はよく通り百メートルほど先にいる私の耳にしっかり届く。彼女は家は調べたのか?いやばったり会うことはなかった。彼女に家のことを言うか迷っていると、遠くで彼女が手招きをする。  私が彼女のほうへ行く。彼女は目の前にあるドラッグストアに入り「ねぇねぇ、誰もいないしここにある化粧品、使っちゃってもいいよね?」と悪い笑みを浮かべそう言ったあと、たくさん並んでいる化粧道具を見ていく。 「万が一金を請求されるようなことがあっても、ATMたちにはらってもらえばいいしね!」  彼女は意気揚々と商品を物色する。  私は彼女を見て一体何のためにそんなに着飾るのか分からなかった。というよりなんでそんなに頑張れるのか謎だった。  私は化粧品を試している彼女がいるドラッグストアを後にし、コンビニへ行った。  店内に入ると同時にいらっしゃいませと聞きなれた言葉もなく、無音のコンビニで私はお弁当二つとお茶二つを手に取りレジ袋に詰める。  袋を持ち高田彩華がいるドラッグストアへ戻る。 彼女の周りには化粧道具などが散乱していた。当の彼女は手鏡で自分の顔を見つめていた。 「あ、山口さん、どこ行ってたの?その袋は」と言いかけたとこで、お弁当とお茶が入っているのがわかりどこで食べるのかと聞く。  高田彩華をベッドのある家へ連れていくと「これはハリボテじゃないんだ」と呟く。  中へ入ると特に驚くはないがテレビやパソコンがないことを嘆く。意外とテレビっ子なのか?  彼女はハイヒールを脱ぎ捨てベッドへ思い切りダイブする。仰向けになり体を起こす。 「ホントどうなってんだろうね、この状況。あんまり長い間店離れてたらATMたちが離れていっちゃうじゃん」  足をそのことを訴えるようにばたつかせる彼女。  今が昼なのか夜なのかさえわからないがお腹は空く。私のお腹がそのことを知らせると彼女はくすりと笑う。 「そのレジ袋に入ってるの、お弁当と飲み物でしょ?食べなよ」  二つずつ取り出し高田彩華に食べるか聞くと、彼女は首を横に振った。  私は一人蓋を開け食べ始める。 「ねぇ、山口さんはどこに住んでて、どんな仕事してる人なの?」  することがなく暇な彼女が私に尋ねた。
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