1人が本棚に入れています
本棚に追加
イケノ「お前の秘密を教えてよ。俺の秘密も言うからさ。」
カコイ「秘密?えー、何かあったかな?」
イケノ「付き合う前に秘密共有してたくてさ。」
イケノ「俺は大学卒業して、よそに就職してから精神病んでさ。辞めて地元に帰ってきて、月に一回通院して、毎日薬飲んでるわ。精神安定剤みたいんなもん。付き合うなら、隠しておくのもな。」
カコイ「ふーん。今の世の中、精神患ってる人そこらじゅういるもんな。お前もその中の1人ってことだな。そんなの珍しいことでも何でもないよ。気にするな。」
イケノ「そっか。ありがとう。勇気出して言って良かったわ。それじゃあ、次はお前の秘密だな。なんかないの?」
カコイ「うーん、しいて言うなら、俺刺青があるわ。」
イケノ「えっどこに?お前ヤクザ?」
カコイ「ちげーわ。ヤクザじゃねえし。普通の会社員だわ。」
イケノ「じゃあ何で刺青なんていれてんの?」
カコイ「昔な、腕にいれたの。俺、両親と仲良くなくてさ、高校の時死にたいほど悩んでたとき、友達が気晴らしに知覧特攻平和館に連れてってくれたんだよ。そこでさ死んでいった特攻隊に比べれば、俺の悩みなんてちっぽけに思えてきてな。そこで、パンフレットに書かれていた文字をいれたわけ。」
イケノ「なんて文字?」
カコイ「教えねえよ。いずれ分かる。」
イケノ「それもそうだな。俺たちの秘密はぜってえ他言無用な。言ったら別れるからな。」
カコイ「分かったよ青葉。秘密な。」
END
最初のコメントを投稿しよう!