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まだそれは真新しいもので
まるで旅館の女将がする三つ指にも
さながら高貴な殿方が
手招きするかの様にも見えた
功績を見せびらかす 彼の悪い癖
この後どうするの
幾つもの解が存在する問いを
自分自身に投げかける
彼の部屋を開けてみる
両腕のない彼が
顔の表面がごっそり崩れ落ちる程の
笑みを浮かべてこちらを見ている
他にもあったでしょ
先程の問いに二つの解が提示された
笑みを浮かべたまま彼は
ぼそりと呟く
仕上げは君が
僕は頷いて彼の首を胴体から切り離す
彼の望み通り 冷凍室へ
そういえば両腕がないのに
どうやって斬り落とし
どうやって玄関に並べたのだろう?
彼のことは まだまだ知らないことが
多いみたいだ
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