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あの後、結局帰りも返すの忘れて、次の日にお菓子と一緒に返したよね。
あの時の遼太くんの笑った顔、忘れないだろうな。
その日から、毎朝15分だけ喋るのが日課だったよね。
私結構、あの時間好きだったんだよ。
「鈴木くんってさ、いつも家では何やってるの?」
「ん?そうだなぁ…漫画読んだりゲームしたりとか、かなぁ。」
「部活とかはしないの?」
「うち共働きだしさ。部費とか遠征費とか、あんま負担かけたくないんだよね。って言っても、別にやりたいことがあるわけじゃないし。」
「ふ〜ん。漫画って何読むの?」
「ワンピークとか、寸劇の土人とか、猫に届けとか色々。」
「えー意外。猫に届けなんて少女漫画なのに。」
「姉ちゃんが集めてんだよ。小さい頃、親が退屈しないようにって買ってくれてから、定期的に買い足してて。メジャーものなら大抵揃ってるかな。」
「ホント?私、猫に届けすっごく読みたかったんだ。」
「なら貸してあげようか?」
「ちょうど今、お願いしようと思ってたとこ。」
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