悠星

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悠星

悠星(ゆうせい)さんが突然帰ってきた。嫁と息子を連れて。家族いたとか、そんなの聞いてない。しかも俺と同じくらいの息子だし…。なんでも秘密がいいと思ってるのだろうか?住職にも言ってないみたいだし。 息子さんは日本語がしゃべれたけど、住職ってなに?と聞かれた。うーん… 「この寺で、偉い人のこと?」 「なるほど。おじいさまはすごいですね。では、失礼します」 住職はおじいさま?…なんだその言い方は。悠星さんがそう呼べと?あと、息子さんの日本語は丁寧だ。悠星さんは、乱暴なのに。 気にしないで、公園に筋トレに行く。 しかし、帰ってきたら住職に捕まる。 「雪見、孫の悠人(ゆうと)と話してやってくれ」 「…はい。でも仕事は?」 「もちろん休みなさい」 …やっぱりー。あっちが勝手に来たのに。 「あれ?仕事行かないの?」 みるくが部屋にいた。珍しい。 「なにしてんの」 「ちょっと具合悪くて」 「寝てていいよ。ご飯持ってくる」 ふー、息子さんにいろいろ説明するのかな?できるか?そんなこと考えつつ厨房へ。 「雪見くん、今日は行かないのかい?」 珍しく、今の時間帯にいる。普段は仕事行く時間だ。 「はい。孫と話せと」 「あぁ…悠星さんの」 「妻が体調悪いので、部屋に持っていきます」 「あ、そう…はいこれ」 「ありがとうございます」 みるくのこと言うかどうしようか。悠星さんをちらっと見かけたけど、部屋に篭ってるようだ。まぁ後でいっか。 「ご飯置いとく。片付け後でするよ」 「ありがとう。で、仕事は?」 「悠星さんの子供と話せって」 「誰?」 「住職の息子」 「え、いたの?」 「いるよ。じゃ、食べられるのだけでも食べてよ」 「うん」
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